WFER 2018, Mexico

WFER 2018, Mexico
メキシコで開催された世界エネルギー規制機関会議での、イギリス・アメリカ・メキシコの規制委員会委員長とのパネルディスカッションで

2017/05/28

獣医学部新設に関する国家戦略特区諮問会議での発言

「第30回 国家戦略特別区域諮問会議」(2017年5月22日)における、獣医学部新設に関する私の発言を掲載します。この発言は、今回の諮問会議の議事要旨に掲載されているものです(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/dai30/gijiyoushi.pdf)。
○八田議員 次に、特区における獣医学部新設の審議の経緯について、個人的な考えを申し述べさせていただきたいと思います。本件は52年間にわたって学部新設を認めてこなかった岩盤規制に取り組んだものでございます。 
 獣医学部の新設が認められなかったことが、なぜ岩盤規制なのでしょうか。新設の薬局は既存の薬局から100メートル以上離して立地すべしという薬事法における距離制限は違憲であるという最高裁の判決が1975年にありました。薬局の新設は需給関係を崩し、既存の薬局に不利益になります。したがって、既存の薬局が新設を嫌がることは当然であります。しかし、憲法が保障する営業の自由に鑑みると、新設が需給関係を崩すことは薬局の新設を制限する理由にはならないということをこの違憲判決は示しております。
 同様に、獣医学部の新設が需給関係を崩し、既存の大学や獣医に不利益をもたらすことは、学部の新設を制限する理由にはなりません。教育及び研究の質を担保するものであれば、大学や学部の新設は認められるべきものです。しかし、日本では、獣医学部、医学部、薬学部の新設は、需給調整を目的とした文科省の告示で、認められていません。これら3学部に限っては、大学設置審議会で教育や研究の質を審査することすら認めていないのです。営業の自由を保障するする観点、および競争によって利用者の利益を最大化するという観点からは、この文科省告示は明らかに撤廃すべき岩盤規制であります。 
 今回の獣医学部の新設は、せめて特区ではこの告示に例外を作ろうという試みです。しかし獣医学部の新設に当たっては、既得権益側が激しく抵抗し、新設するとしても2つ以上は認められないと主張するので、突破口として、まずは一地域に限定せざるを得ませんでした。そうである以上、地域的に獣医学部の必要性が極めて高く、しかも福田内閣以来、永年要求し続けた地域に新設を認めたのは当然であります。この選択が不透明だなどという指摘は全く的外れであります。むしろこれまでこの岩盤規制が維持されてきた政治的背景こそ、メディアは、究明すべきです。 
 しかし、突破口を作ったことには、大きな意義があります。今後、続けて第二、第三の獣医学部が認められるべきです。
 最後に、明治4年に前島密が国際標準の郵政事業を開設しようとしたときに、飛脚業界が猛反対いたしました。前島は、大変な苦労を強いられました。長い目で見て必要な岩盤規制改革には、摩擦はつきものです。既得権者は必死に抵抗します。今起きていることもそういうことだと思います。しかし、こうしたことで改革のスピードが鈍ることがないよう、国家戦略特区における更なる改革を果敢に断行していきたいと考えます。そのために官邸のサポートを引き続きをお願いしたいと思います。

獣医学部の新設に関しては、次のブログもご参照ください。

駒崎弘樹氏「加計学園問題は、本当に問題なのだろうか」(5月20日)
https://news.yahoo.co.jp/byline/komazakihiroki/20170520-00071136/

高橋洋一氏「加計学園問題の本質は何か 〜このままでは政府の勝ちで終わるだろう」(5月22日)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51813

岸博幸氏「加計学園の報道されぬ真実、黒幕は総理・官邸・内閣府ではない!」(5月26日)
http://diamond.jp/articles/-/129482

21 件のコメント:

  1. つかそれでも、総理が友人と公言してる人の学校は遠慮させるべきでしょう。
    どうしてもというなら、最初から公にこういう状況でやむを得ず総理の友人の学校に新設します位の説明をつけて慎重に国民の理解をえるべきだと思います。そのくらいの配慮がないからアホみたいなことでもめている。法律、手順さえ守ればいいという姿勢ならメディアにあおられても仕方のない話。法的に正しいから何やっても許される姿をアピールされてもその人の友達でもない限り納得はしませんよね。ずるいやつだなぁと思うだけです。
    規制緩和自体は大賛成です。これからも頑張ってください。

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    1.  特区の仕組みでは、原則として、ある特区で行われる規制緩和は、他のすべての特区にも適用されます。
      (例外は、農地の株式会社による保有許可と、医学部の新設のみです。これらではそれぞれ農水省と文科省を通じた政治圧力で一ヵ所に限るという限定が加えられました。今回、獣医学部新設が一校のみに限られたことも同様です。)
       特区で取り上げる項目の選考に関するワーキンググループ(WG)と規制官庁の折衝は、議事録公開を原則に行っています。提案者と規制官庁の意見が異なれば、両者をヒアリングに呼んで、特区WG委員が間に入って三者面談を行うこともあります。規制官庁とWGの見解が異なれば、規制官庁と内閣府の官僚が議論を詰めます。それでも折り合いがつかなければ、関係省庁の大臣同士が折衝します。それでもダメなら、総理決裁ということになります。その結果決まったことは、先ほど述べたように全特区で適用可能になります。
       個別の事項でどこを選べといった官邸からの指示は、一切ありません。今年に入って報道されるようになるまでは、総理と加計学園理事長とが親しいということも、私個人としては知りませんでした。
       特区で獣医学部新設が可能になれば、他の特区でも基本的に可能になりますから、選考に際して、総理がどこと親しいといった情報を公にする必要はありませんし、公開すればそれこそ、総理の友人だから優遇せよという忖度を迫っていると疑われる可能性を生みます。
       獣医学部の新設も、原則通り、一校に限らず認めるという政治決断がされるべきでした。しかしそうするには獣医師会の政治力が強すぎ、2校以上を主張したら1校さえも通らないだろうと担当大臣が判断されたということでしょう。
       特区WGは、終始一貫、全地域での新設を認めるべきだと主張し、文科省は、一校も認めるべきでないという主張を2016年の秋までしてきました。既得権者の抵抗にも拘わらず50年ぶりに獣医学部が新設されたのは大成果です。既得権側はそれに徹底抗戦するでしょうが、そこに留まらず2校目、3校目も認められていくべきです。
       今回のことが大騒ぎになったのは、文科省の裏にいる政治家のみならず、すべての規制改革に反対する事業者や政治家が、前川氏の尻馬に乗ったからだと思います。

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    2. 現実には、加計学園を新たな既得権益者にしただけでしたよね。もし岡山理科大学獣医学部が、研究に力を入れない(有能な教授を雇わない、設備を最新鋭のものにしない)などして失敗してしまっても、特区での成果に関係なく、これからも獣医学部はどしどし新設されていくのでしょうか。規制の完全撤廃に向けて早急に実現をお願いします。加計学園だけ慌てて世論の考えも聞かず作っていて、他は獣医師会と文科省が許さないからできない、なんていうことになるとあんまりです。

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  2. 大学と薬局を同列に論じる神経がわかりません。薬局に市が何億もの土地を譲渡したり、建設費を寄付したりしますか。薬局は採算が合わなければ撤退、もしくは廃業するのでしょうが、大学は一度作ったら簡単につぶせるものではありまん。。私学助成金も億単位で毎年受け取るはずです。それとも、お金持ちの加計さんは税金なしで運営されるのでしょうか。

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    1.  薬事法の例を出したのは、「新たな事業者の参入を制限することは、事業者の需給を調整する手段としては認められない」という原則を示すためです。需給調整のために新設を認めないことによって、既存の業者の利益を守ることが不当なのは、薬局の場合だけでなく大学の場合でも同様です。どちらも、原則として自由に新設できるべきです。
       ただし、おっしゃるように、大学には助成金も使われます。それゆえ大学新設の場合には、大学設置審で教育・研究の質と財務状況を審査することで、質の悪い大学に補助金が無用に使われたりすることを防いでいます。最低限の質が担保されているならば、経済学部や文学部は新設が認められます。それなのに、医学部や獣医学部にだけ学部の新設を制限する理由はありません。
       さらに、多くの自治体は、地元振興のために大学誘致に便宜を図っています。それが妥当かどうかは、個別に自治体の住民が判断すべきことです。自治体が判断する以前に、国が新設に応募する権利を奪うことは正当化できません。
       なお、今治市は、福田内閣時代から15回も応募してきて、その度に文科省に跳ね返されてきましたが、市としての財政補助は一貫して約束していました。

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    2. そもそも薬事法判決が、「新たな事業者の参入を制限することは、事業者の需給を調整する手段としては認められない」なんてこと言ってますか?判旨の該当部分を具体的に示して頂けますでしょうか。

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  3.  経済学界において確たる名声を有する八田先生が安倍政権の走狗なのではなく、規制緩和という経済学的正義を実現するための道具として安倍政権を見ておられるであろうことは、重々承知しています。しかし「獣医学部の必要性が極めて高く…永年要求し続けた地域に新設を認めたのは当然」というのは、あたかも合格の必要性が極めて高く長年にわたって受験し続けてきた浪人生を現役生よりも有利に判定したのは当然というがごとき、透徹した論理性を身上とする八田先生にふさわしからぬ面妖な俗論です。
     安倍首相が、親友である政商的教育実業家に利益を供与する目的で規制緩和に名を借りて横車を押し、加計学園の獣医学部新設を急がせるために、黙示の共謀にもとづく強引な政治的策動を(もちろん自らは決して表に出ることなく配下を用いて)行なった、という事の真相から戦略的に目を逸らしておられるものと拝察いたしますが、歯向かう敵には御用新聞を使って人格攻撃を仕掛けることも辞さぬ一方、森友といい、加計といい、准強姦疑惑の山口といい、安倍首相夫妻と親密な関係にある者に対しては不当な手厚い便宜供与を事とするこの政権の依怙贔屓ぶりは、まさに国家権力の私物化であり、クローニズムの極致です。経済学者だからといって、抽象的な経済学的正義を追求するあまり、具体的な政治的不正義を無視しすぎる姿勢を取り続けられると、名誉ある先生の晩節を汚すおそれさえなしとしません。
     今治市は財政難です。巨額の税負担をしてまで大学に来てほしくないというのか、民意の大勢です。加計学園千葉科学大学(非公式の略称:バカダイ)への巨額の補助金支出が一因で夕張市に続く財政破綻が予想されている銚子市の事例は、少子高齢化が進むなか、大学誘致による町興しが幻想に終る可能性が高いことを証明しています。今治の予定地にこの国で最大規模の獣医学部を新設することがいかに不自然不合理であるかを、地域の実情に即して論証した記事として、アゴラ山城良雄「加計学園問題を地政学で考える」が大変参考になります。

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    1.  3点お答えします。

       1.「安倍首相が、親友である政商的教育実業家に利益を供与する目的で規制緩和に名を借りて横車を押し、加計学園の獣医学部新設を急がせるために、黙示の共謀にもとづく強引な政治的策動を(もちろん自らは決して表に出ることなく配下を用いて)行なった、という事の真相」

      というのが、一般的理解だと思います。しかしこれは事の真相ではありません。

       第1に、2014年7月の新潟市による獣医学部新設提案ののち、特区WGは、計5回の特区ワーキンググループ(WG)を開いて文科省などと折衝しています。これは獣医学部新設の2015年度内検討を2015年6月の日本再興戦略に載せるつもりだったからです。集中募集に応じて今治市が応募してきたのは2015年6月5日ですから、今治市ありきでは全くありません。

       第2に、議事録から明らかなように、WGは新潟、今治、京都府綾部市のすべてにおける新設に賛成しています。

       第3に、naさんへのお答えで書いたように、特区の仕組みでは、原則として、ある特区で行われる規制緩和は、すべての他の特区にも適用されます。原則通りに行けば、どの特区における獣医学部の新設提案も、設置審にかけて審査を受けることが可能になるはずでした。
       ところが、既得権側が次から次に条件をかけてきたのです。最後のとどめは、一校に限るというものでした。その結果今治だけが手を挙げたと言うことです。
       最初から複数決められるべきでした。そうできなかったのは、安倍首相の意向ではなく、既得権側の意向です。首相は、自らは、諮問会議で意見表明をした以外、獣医学部新設に関する意見を我々WGに示したわけではありません。

       第4に、2015年以内に獣医学部新設を検討すると約束しておきながら、ずるずると2016年になっても検討に決着を付けようとしない文科省に対して、約束違反だとして強く決着を迫るのは当たり前の話です。その根拠は、諮問会議での総理の発言です。

       2.「今治市は財政難です。」
       うえ さんへの回答をご覧ください。

       3.「「獣医学部の必要性が極めて高く…永年要求し続けた地域に新設を認めたのは当然」というのは、あたかも合格の必要性が極めて高く長年にわたって受験し続けてきた浪人生を現役生よりも有利に判定したのは当然というがごとき」

       特区WGは、終始一貫、全地域での新設を認めるべきだと主張し、文科省は、一校も認めるべきでないという主張を2016年の秋までしてきました。諮問会議における条件では全3地域が認められる文言になっていたにも拘わらず、最終的に一校なら認めるとしたのは、既得権側です。 
       なお、どのような政治的妥協を強いられようと、今治には需給関係から見て十分な必要性があるので、設置審の審査を受けさせるべきだと、私自身は考えていました。特に、2016年9月21日の「第1回今治市分科会」における、加戸守行元愛媛県知事による説明が、ご自身の知事時代の鳥インフル対策で経験された研究機関不足の必要性を訴えられたのが説得的でした。
       さらに、今治市は、福田内閣以来何度もはねつけられながらも規制改革要請を続けました。このような要請には、大変なエネルギーと時間と行政資源を用います。それに応えなければ、どこも規制改革要望をしないでしょう。
       仮に「新しいケーキ屋は作らせない」という規制があったときに、この規制はおかしいと言い続けて何年も役所と闘ってきたケーキ屋さんのほうを、彼の闘いの結果規制緩和がされそうだと知って最後に滑り込んできたケーキ屋さんより多少は評価すべきだと、私は思います。
       なお、国交省にも総務省にも規制緩和を要求して勝ち取ってきたクロネコヤマトや、厚労省に対して医薬品のネット販売解禁を永年闘い、裁判に訴えて勝ち取ったケンコーコムのような勇敢な会社は、彼らの成果にフリーライドした企業に比べて、社会的に大きな賞賛を受けるにふさわしい会社だと思っています。
       とはいえ、一校に限定するとした既得権側の主張には根拠がなく、2校目、3校目も設置審にかける権利を与えられるべきです。

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  4.  獣医学部新設に関する先の記事に頂戴した3つのコメントに御返事を書きました。コメントを寄せてくださった方々に感謝申し上げます。重要な論点をご指摘いただいたので、勉強になりました。
     今回書いてみて、返事を書くことは思っていた以上に時間を要し、他の仕事を削らなければならないことがわかりました。したがって今後は、コメントは歓迎いたしますが、個別のお返事を書くことは、時間的な理由で控えざるをえません。あしからずご了承ください。

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  6. 諮問会議のお仕事、ご苦労さまです。

    八田先生はじめ諮問会議の皆さまが「公正・公平」を意識しながら活動されてることに敬意を評します。特に獣医学部の開設、諮問会議の意見は「1校に限っていない」という部分でした。ただそれも「既得権益」との妥協の産物だったんですね。そういうことを考えると、八田先生や他のメンバーは「政治の駆け引き」に巻き込まれそうになりながら踏ん張ってる姿が浮かんできます。

    願わくば、安倍総理が政治がらみは引き受けて、会議メンバーにはバイアスがかからない状態で「ベストORベター」な検討ができる環境を提供して頂きたいものだと思います。安倍総理の手柄にさせたくない連中は「あんなの岩盤規制でも何でもない」とほざきますが、それならなぜ50年以上誰も穴を開けられなかったのでしょうか? 皆さんが進めようとしてることは、日本や世界に役立つことにつながりますので、まず空いた穴に手を突っ込んで、体が入るように、人や車が自由に通れるように、拡大していって欲しいです。

    獣医学部が一つもない四国に関しては、「水際で…」という加戸元愛媛県知事の首長としての当然の判断・要望だと思います。でもこれは、逆の意味でも重要だと思いました。四国が発生源にならない補償はどこにもないということです。この場合は問題を四国に封じ込めるという措置も取らざるを得ませんが、現状ではそれが出来ないということにもなりますので、「入れない・出さない」という双方向の対策のためにも、空白地帯の四国に獣医学部ができることは良いことと考えます。

    新規事業の立ち上げが「既得権益」との関係で、どの位苦労の多いことかという例が示されていました。(明治の郵便事業、クロネコヤマトやケンコーコム) 八田先生やメンバーの皆さんが安倍総理の心意気に賛同してがんばっておられる内容は、日本の活力にもつながる話です。「既得権益」にしがみついていたら、待っているのは衰退だけです。

    八田先生初め皆様は、日本の進むべき一歩先を切り開いてくれてるのです。割に合わないこともあろうかと思いますが、私心で動いてないことだけは理解しています。日本の活力がこの先も続くためにも、ぜひとも安倍総理ともども雑音に負けないで、導いて欲しいと思っています。

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  7.  元・大学職員として加計学園問題には無関心でいられません。公開されている特区における議事録をすべて読み、やはり、諮問会議の会見で述べられた「一点の曇りもない」という言葉に違和感を抱きました。
     八田先生の当ブログにおける記述も含めて、疑問点と違和感について述べます。
    第一に、第25回諮問会議(2016年11月9日)で八田先生が告示の内容に触れておられないことです。この回は、獣医学部の新設を認めるという大きな進展があった会議であるにもかかわらず、資料として出された告示の文面についてまったく検討がなされていません。これは、ほんの3週間ほど前にWGの会議(2016年10月17日)において、京都産業大学の提案を聴き、「非常に説得的」とコメントされていることを考え合わせると、とても不自然です。京都産業大学が排除される内容になっていることにお気づきになられなかったのでしょうか。
    第二に、愛媛県における獣医学部の設置の必要性についてです。八田先生は、鳥インフル対策に苦しんだ加戸元知事のお話に説得力があったとコメントされていますが、ではなぜ、愛媛大学において獣医学部を新設しないのでしょうか。国庫からの助成金の負担を考えれば、加計学園の誘致よりも愛媛大学における学部新設のほうが合理的です。
    第三に、そうした愛媛大学への獣医学部設置の可能性も含めて、文部科学省に獣医学における学部の再編希望状況についてヒヤリングが何故、なされていないのかです。大学、特に医学系の学部には多額の助成金が投下されます(補助金のベスト20には医科系が多数を占めます)。拙速に協議するのではなく、現状の分析を踏まえて、結論を出してほしかったです。

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    1. 非常に同感です。そもそも文科省に要請していたことは、獣医師定員の拡大だったはず(2014/8/5&2015/6/8 文科省ヒアリング)。それが叶って、安倍総理の意向で法令以外の規制撤廃(2016/11/9)となっていると思うのですが、なぜ水際対策が告示の必須事項になったのか、大変疑問が残ります。11/9の八田先生のご発言でも、新しい分野での必要性と水際対策の必要性、各々に重要だとおっしゃっているので、どうして二つの条件を同時に満たさないといけない告示案に反対しなかったのですか。更に理解に苦しむのが、H30年開設の戦略特区計画に限定しているところです。その結果、平成29年1月4日の応募したのは加計学園のみ。八田先生は競争を増やして質の悪い既存の大学を退出させようとおっしゃっていますが、今回の加計学園の参入はまさしく競争相手を0にしていて、しかもそのあと規制に開けた穴を閉じる(1校のみ)という結果、矛盾しているように思います。獣医師会の反対にあったからという理由を聞きましたが、今までずっと既得権益者と戦って規制緩和に尽力していたのに、加計学園が獣医学部新設できるとなったら急にやる気を無くしたようにも見受けられます。そのような矛盾の行動が、加計ありきだったのかな、という疑義を抱かせるのだと思います。
      特区で直ちに結果を出したいという意図は分かりますが、結果が出るには少なくても6年かかります。急いで認可した学校が、6年後成果をあげられませんでした、養成した学生が小動物の診察医に流れてしまいました、ということになると、文科省や獣医師会が更に意固地になって規制緩和が停滞してしまいます。急がば回れというように、早急な案件こそ着実に取り組むべきだったと思います。
      また、八田先生は関係ないのですが、告示案のパブリックコメントへの対応も、不誠実だなと感じます。従来の獣医師も増えることが分かっていながら、「新しい分野」云々と、説明を避けているように思います。また、「広域的な」「平成30年度開学」などは不要という意見には、「広域的な」の根拠を全く説明されていません。その点、全ての規制撤廃を一貫して主張されている八田先生は、理路整然としていて尊敬します。ただ、獣医学部の新設が決定してからは、加計に捉われず、もっと広い視野で特区計画を進めて欲しかったです。

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  8. 八田先生

    疑問点があります。個別に返信はしないとのことですが、色々なところでの発言を拝見しておりますので、出来れば下記疑問へのお考えを織り込んで頂ければと思います。

    国家戦略特区を認定するための大前提となるのは、同法の目的である第一条、特に、産業の国際競争力強化、国際的な経済活動拠点形成に合致する提案であることだと考えます。WG議事録を拝見すると、本件に限らず京産大の提案についてもそうですが、この点の検討が非常にあっさりと済まされ「良いでしょう」となっているような印象があります。この点、官邸から、非公開の場で検討(比較検討も含め)したと説明されていますが、どのような検討を経て、本件が戦略特区法の目的に合致していると判断されたのか、概要だけでも教示願えると幸甚です。

    私も文科省告示はおかしいと思いますが、それに国家戦略特区で対抗するのは無理があるように感じています。国家戦略特区認定如何はあくまで一条の目的に資するかどうかで判断されるべきと考えます。

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    1. 仰るとおり、国家戦略特区を認定するための大前提として、法律上は、「産業の国際競争力強化」または「国際的な経済活動拠点形成」の事業であることが必要です。

      獣医師学部の新設が国際力強化に直結することは、ダイヤモンド・オンラインの記事(http://diamond.jp/articles/-/134825)で次のように述べた通りです。

      「現在、日本にとって獣医学部をつくることは重要な成長戦略だ。現代科学の中心の1つである生命科学の研究や、鳥インフルエンザやエボラ出血熱などの人畜共通病の研究のためにも、また、近年盛んになった獣医学の医学への貢献を増やすためにも、獣医学研究者を大量に育てる必要がある。」

      また、鳥インフルエンザなどへの水際作戦を可能にすることは、畜産の国際競争力を強化するために不可欠です。

      獣医学部新設は、明白に要件をみたしますから、あえて議事録に残すまでの議論をしていないだけです。ほかの数多の規制改革メニューについても同様です。

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    2. 八田先生

      電力・ガス取引監視等委員会委員長等、お忙しい中の返信、誠にありがとうございます。ご見解了解しました。

      以下、追加質問させて頂きたく、またお時間があるときにでも返信頂戴できれば幸甚です。

      昨今話題になっている件ですが、今治市の国家戦略特区WGに特定の学校名が入っていなかったこと、迂闊なことに全く見落としていましたが、ということは、WGでの検討には、この事業者ならやりきれるだろうと言った判断は入っていない、と解釈してよろしいでしょうか。

      私見では、規制緩和そのものは是だとしても、具体的な事業の担い手如何は、規制緩和の実が上がるかどうかを左右すると考えますが、この点はWGの守備範囲を超え、主に文科省の判断に委ねる、ということになりましょうか。

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  9. 八田先生
    ここのところ話題になっている加計学園問題に関して国家戦略特区諮問会議を取り仕切っている八田氏とは(失礼ながら専門も違い知らなかったので)どんな人かと思い、ネットを調べ、このブログにたどり着きました。私は医療、医学研究にたずさわったものとして、ブログでのやりとりを拝見する限り、八田氏は個人としては誠実な方とお見受けしますが、あまりに医学系の研究・教育には疎く、それでいて規制緩和命である氏を委員に指名したのはご本人の意図とは別に、「腹心の友」の利益を優先するシステムにうまく配置されたと思わざるを得ません。
    「最低限の質が担保されているならば、経済学部や文学部は新設が認められます。それなのに、医学部や獣医学部にだけ学部の新設を制限する理由はありません。」といわれますが、基本的に職業教育である医学部などは経済学部などと異なり、学生ひとり当たりも相当の経費と教員を含む人的資源を使って育て上げているわけです。そのような認識のない方は簡単にこのように思うのだと驚く次第です。
    また「現在、日本にとって獣医学部をつくることは重要な成長戦略だ。現代科学の中心の1つである生命科学の研究や、鳥インフルエンザやエボラ出血熱などの人畜共通病の研究のためにも、また、近年盛んになった獣医学の医学への貢献を増やすためにも、獣医学研究者を大量に育てる必要がある。」とおっしゃいますが、獣医を増やすためであれば新たに大学を新設して、既存の獣医学関連の人材をその大学にシフトするよりも、現在の大学の定員を増加させる方が、圧倒的に質を確保することができるはずです。そもそも水際作戦に対応するための獣医ということであれば、そういった職業の待遇を改善する方が、もっと効率的です。6年以上かかり、必ずしもそういった職業に就くどうかも分からない獣医教育のための大学を開くことにほとんど意味はないでしょう。さらに鳥インフルエンザなどの研究者は世界の最先端研究をおこなうことを考えれば、必要なのは別に獣医に限ったものではありません。医学系のみならず、理学部などからも優れた人材をこの領域にシフトするべく研究費を配分するなどすれば、より効率的に、最先端研究を行えるはずです。或いは海外から優秀な人材を引っ張ることもできるはずです。つまりこの理由も一見もっともらしいですが、実はとってつけたようなものにすぎません。八田氏が非専門家のためにこういったことを良くおわかりでなかったのか、あるいは規制緩和命のために、こう言った理由を鵜呑みにしたのかは分かりませんが、残念ながら「腹心の友」への利益誘導にうまくのせられたと解釈するより仕方ないのではないでしょうか。

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  10. 八田先生、
    私は経済学に疎いのでよく分からないのですが、獣医学部の告示の根拠を、システムに例えて分析してみました。
    有名なミクロ経済での需要と供給曲線というものは定常状態(steady-state)のグラフですよね。市場に任せておけば、いずれは平衡点(equilibrium)に収束するというシステム。このシステムの動態(dynamics)を説明する位相面(phase plane)のようなグラフがあるのか、経済学に疎い私にはわかりませんが、とりあえず、市場には需要を見て供給を調整するという動きがあるので、商品の供給システムはNegative feedback loopがあるという見方ができると思います。
    獣医師という「商品」について考えるときの問題は、商品一つ多く清算しようとしたとき、供給までに時間がかかる(6年)ということだと思います。つまりこのシステムはNegative feedback system with delaysということですよね。delayのあるnegative feedback systemの場合、steady-state/equilibrium以外にも、dynamicsが非常に重要になってきます。システムのparametersによっては、equilibriumがasymptotically stable nodeだったり、asymptotically stable spiral pointだったり、center with stable oscillationだったり、unstable spiralだったりします。獣医師の供給システムがどのようなパラメターを取るのかわかりませんが、理論的には色々な場合が考えられるので、シミュレーションなしに市場に任せるのは危険だと思います。
    文科省の告示は、ある意味open loopの市場のシステムに頼るのではなく、このシステムに制御(control)を効かせる役割があると思います。電子工学にはPID制御というものがありますが、proportionalは現在の需給関係、integralは今まで生産してきた獣医師と需給を鑑みて、そしてderivativeはこれからの動向を予測するために、色々鑑みた結果、獣医学部の新設には慎重という姿勢になったのではないですか。八田先生は、獣医師のような、生産を思い立ってから市場への供給まで、delayがある「商品」に関して、行政期間が制御を効かせることは必要がないとお考えされますか?
    私は制御は必要だと思います。もし獣医師の供給というシステムが平衡に落ち着くまでにoscillationがあったり、長い時間を要するようであれば(with long time constant)、平衡点とその時の供給量の差がdead weight lossみたいなものになると思うからです。そこに税金や資材、人材の無駄が生まれると思います。
    八田先生の識見をいただければ幸いです。

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    1. いくらか文法ミスがあります。「お考えされますか」->「お考えになりますか」「識見」->「ご識見」に訂正いたします。大変失礼しました。お恥ずかしいです。

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  11. 八田様
    私は、僅かな国民年金以外には既得権益に縁の無い、普通の市民です。その意味で、既得権益者を守る為の規制を潰していこうという八田様の熱意には深く共感するものであります。ただ、加計学園に関する国会閉会中審査での御答弁を拝見し、このブログを拝読した上で、いくつかの疑問があり、質問させていただく次第です。

    1) まず、制度の仕組みについての疑問です。規制を緩和、もしくは無くせば、民間事業者によって事業はうまくいくはず、というのが基本思想だと思います。加計学園に門戸を開いたことが良い施策だったとして、何故、100億円以上にもなる巨額の公的援助が必要なのでしょうか? 檻から出してやりさえすれば、後は勝手にやるから大丈夫なのではないのでしょうか? 公有地を無償で与え、建設費の過半を補助し、学生への毎年の奨学金まで用意する、ここまでやらないと出来ない事業者なのですか? だとすれば、出来ない理由は規制ではなく、事業者の無能、計画の無謀です。国家戦略特区という制度は、特定の事業者を援助する仕組みですか?

    2) 加計学園の問題は、獣医学部新設の実質的禁止に対する評価ではなく、何故一校だけに認められ、それが加計学園なのかという問題です。
    私学を認可されるということは、毎年多額の助成金を得、学位や資格試験受験資格を得、という特権グループへの仲間入りを認められるということです。この特権が、総理の親友に与えられるということは、仮に総理に認識が無くても、平等原則に反するのではないでしょうか?

    3) 平成27年6月5日のヒアリングでは、今治市の提案に対して八田様は疑問を投げかけていました。四国の獣医師不足を解消するためには獣医師学部の新設よりも公務員獣医師の待遇改善や、他地域の学生にも奨学金を与える方が効果的かつ簡単ではないか、という疑問です。今治市の返答は説得力があったとは見えません。何故学校なのでしょうか?

    4) この後、平成28年8月に担当大臣が石破さんから山本幸三さんに変わりました。同年10月17日には、京産大へのヒアリングがあり、何故京都か、京都地域の強み、周辺県からも期待されている、京産大の強さ等が示され、八田様も共感をもっておられたように、議事録からは感じられます。しかし、11月9日の諮問会議では、「広域的に、、、、限り」という文言が入れられて決定されました。これにより、実質的に京産大は締め出され、加計学園だけが対象になったことになります。事実、直後の11月17日、山本幸三大臣が獣医師会を訪問し、加計学園だけ認めるので了承してくれという交渉がされ、獣医師会も一校だけならと折れることになります。
    八田様は、この文言の影響を認識されていたでしょうか? もし、この文言がなく、一校だけ認めようとすれば、当然、京都と加計学園の計画を詳細に比較検討しなければいけませんが、この文言によって加計学園だけの応募になれば、10年に渡り継続して申請してきた熱意だけで認めることが容易になります。
    10月の間に、八田様が何故、京都への共感を消すことになったのでしょうか? それまでは、加計学園と京産大両者の計画の中身に関心を持っておられたのが、何故、今は、獣医師の不足を獣医学部の必要性の根拠と認め、永年要求し続けたことを認定の基準と考えるように変化されたのでしょうか?

    5) 加計学園問題が世間で騒がれるようになった今、八田様の主張は、ともかく岩盤規制への突破口を作れ、なんでも良いから穴を開けろ、と聞こえます。しかし、特区は、やってみてうまくいけば全国に展開するための制度です。とすれば、申請された計画を精査し、特に競合があるなら綿密な比較検討もされなくてはいけないでしょう。万一上手くいかなければ、既得権益グループから、それ見たことかと非難され、将来の芽も潰してしまいます。しかし、山本幸三大臣は、その議論の痕跡を示せない。議事録を取っていないとおっしゃっています。11月9日の決定で、競合がなくなったのですから、比較検討の必要が無い以上、議事録はあるわけないです。このまま進んで、大丈夫でしょうか?

    せっかく、規制をして民間事業者の活力を生かそうという使命に燃えていらっしゃるのに、このままでは、岩盤の中に、広域的に競合が無いように頑丈な金庫に入れてもらい、たっぷり公的援助まで受けた、最強の既得権益者を作ってしまう、そのことへのご心配は無いでしょうか? 老婆心ながら、疑問を呈させていただきました。
    八田様が書かれているように、返事を書くのは非常にエネルギーを必要とすることだということも、よくわかりますので、ご返事は期待しておりません。

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  12. 言われることはわかりますが、これらを論議する以前に問題があると思います。医学部、薬学部、獣医医学部にしても、何一つ従来のしきたりが変わっていない。薬を例にとれば、バイオテクノロジーで石油から作られ、石油から作られたものは発がん性が認められているにも関わらず、国、医師、製薬、マスコミがいに大シンジケートを作り、効きもしない薬で、利権が絡んだ金儲けに走っている。こっちに先に風穴を開けるべきではないか?化学合成された薬は、新たな病気を作っている。

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