2020/04/15

パンデミックに対して経済を頑健化する制度改革

私の小文「パンデミックに対して経済を頑健化する制度改革」が、RIETIの「特別コラム:新型コロナウイルス-課題と分析」の一つとして掲載されています。

新型コロナウイルス (COVID-19) の感染拡大防止策として休業補償をすることを、政府は現在、不可解なほど躊躇しています。これは、「補償を一旦してしまうと、将来のパンデミックに対しても大型の財政支出を繰り返し続けなければならなくなる」と心配する人々からの抵抗があるからではないかと思います。

小文の主なメッセージは、将来のパンデミックに対して適切な制度改革を行えば、その心配は無用だというものです。すなわち、「将来繰り返されるパンデミックに備えて、雇用保険・パンデミック休業保険などの各種の社会保険制度を整備すれば、リスクの高い業種の利用者に、日頃から高い保険料を払ってもらうことができる。そうすれば次回のパンデミックからは、財政支出を大幅に削減できる」という主張です。

この改革を行うことを決めてしまえば、今回の緊急経済対策の追加措置として休業補償を行っても、それに伴う大型財政支出は今回限りで済むため、将来の支出への歯止めができます。それゆえ、休業補償を今こそ果敢にやるべきだというものです。

なお、本コラムの執筆に際しては、八代尚宏氏、井堀利宏氏、佐分利応貴氏、保科寛樹氏からそれぞれ貴重なコメントを頂きました。残る誤りは筆者のものです。

コラムの本文はRIETIウェブサイトにてご覧ください: 「パンデミックに対して経済を頑健化する制度改革」(八田達夫)

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