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2025/02/17

AGIワーキングペーパー・シリーズ「大都市への人口移動の決定要因としての地方人口と地域間所得格差」

アジア成長研究所(AGI)のワーキングペーパー・シリーズとして、「大都市への人口移動の決定要因としての地方人口と地域間所得格差」を発行しました。(2022年3月)

全文は下記からご覧ください
https://www.agi.or.jp/publications/workingpaper/2022/WP2022-07.html
【AGIリポジトリhttps://agi.repo.nii.ac.jp/records/220


大都市への人口移動の決定要因としての地方人口と地域間所得格差

要約:1960年代の日本の高度成長は、地方圏から大都市圏への大規模な人口移動を伴っていた。ところが1970年前後に急速に人口移動が減少すると共に、経済成長率も激減した。

当時の地方圏から大都市圏への人口移動のうち、中学校・高校の新卒者の占める割合は3分の1未満であり、20代、30代の移動も多かった。このため、人口移動関数の推定を15歳以上の各年齢層別に行った。結果的に、39歳以下の年齢層人口で、最も高い決定係数が得られた。なお、この年齢層の地方圏人口は、70年代を通じてほぼ一定であるので。地方圏人口の減少が人口移動減少の原因ではない。

1970年代において、この年齢層に人口移動減少をもたらした最大の要因は、有効求人倍率の地域間格差が縮小したことであった。二番目に大きな要因は、地方圏の一人当たり所得の相対的な向上である。さらに、地方圏の社会資本ストックの相対的な増加も貢献している。

次に、中学校・高校の新卒者に限定してこの回帰分析を行うと、短期的要因である有効求人倍率の格差縮小は、有意ではなかった。新卒者にとっては、地方圏の一人当たり所得の相対的な改善と、社会資本ストックの相対的改善が、移動のより大きな決定要因となっている。

さらに、本稿では、地方における一人当たり所得の相対的向上は、政策的な再分配によるところが大きいことも実証する。

現在、高度成長を経験している途上国では、その結果として生じるであろう地方への再分配の政治的圧力を、いかに抑制するかが重要であることを、この結論は示唆している。

2025/01/30

AGIワーキングペーパー・シリーズ「解雇手当契約を可能にする社会インフラ整備」

アジア成長研究所(AGI)のワーキングペーパー・シリーズとして、「解雇手当契約を可能にする社会インフラ整備」を発行しました。(2024年3月)

全文は下記からご覧くださいhttps://www.agi.or.jp/publications/workingpaper/2024/WP2024-10.html
【AGIリポジトリ】https://agi.repo.nii.ac.jp/records/2000095 


「解雇手当契約を可能にする社会インフラ整備」

要約:米国では人材の解雇と新規採用によって、技術革新に必要な、機敏な人材の配置換えが可能である。対して、日本では、解雇が困難であり、その分、特に、IT産業などで、時代に合った採用が出来ず、長期的な生産性の伸びを抑制している。

本稿では、まず、従来からの慣行型の雇用契約を残しつつ、解雇条件を明文化した新規契約をも可能にする規制緩和を提案する。次に、そのために必要な解雇手当基金や雇用保険制度などの社会インフラの整備を提案する。特に、企業による解雇手当基金への積み立ての義務化、国によるデフォルトの解雇手当水準の設定、雇用保険料への履歴料率制の導入など、労働市場の健全な流動化を促進する仕組みについて論じる。解雇が起きにくいことを前提として構築されている現行の社会インフラのまま、解雇条件を明文化した契約を導入すると、企業による解雇の頻発や労働者による解雇手当獲得を目的とする退職などのモラルハザードを生むことになるからである。

本稿で提案する社会インフラ整備の下では、解雇条件を明文化した新規契約を結ぶ企業に対しては、解雇時にそれが社会に及ぼす負担に応じたペナルティを与える一方、解雇される労働者には解雇手当の給付を確実にする。解雇された労働者が受ける保護は格段に向上する。

一方、企業はそれらの代償を払った上で、自社に必要な能力を持たない労働者を解雇できるため、能力のある労働者のみを高い賃金を支払って雇用できるようになる。これは、新時代が必要とするイノベーションを、日本でも可能にする。

2023/05/20

「北九州空港へのアクセス改善と北部九州の成長について」のプレゼンテーション

2019年からのコロナ禍を踏まえた、福岡空港への新しい需要予測を元に、北九州空港へのアクセス改善投資の採算性予測を改訂しました。

改訂後の予測が載ったスライドは、次のリンクからご覧ください。

この新しい予測を用いて、九州北東部議員連盟主催の勉強会においてプレゼンテーションを行いました(2023年5月16日)。