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2014/12/28

現行の消費税が強い景気抑制効果を持つ根拠

 2014年12月7日の日本経済新聞におけるインタビュー記事「世代間の公平、確保を」で、私は、現行の消費税が強い景気抑制効果を持っていることを前提に、税率引き上げの前に行うべき改革の方向を指摘しました。このインタビュー記事を以下に引用します。
 ──消費税の再増税延期をどう見ますか。 
 「よかったと思っている。今の消費税のままでは景気に対して悪影響があるためだ。特に低所得の人が苦しい。住宅や自動車といった耐久消費財の消費も減退させる。これは増税前の駆け込み需要の反動による一時的なものではない。お金を借りてモノを買うとき、借り入れには限度額があるが、消費税率が上がったからといって限度額は増えない。消費税が上がった分、実質的に購買力が減ってしまう。これは恒久的な影響だ」
 「再増税まで時間的余裕ができたので、導入が予定されているマイナンバー(社会保障と税の共通番号)も活用し、低所得者向けの対策をしっかり実行してほしい。住宅や車にかける消費税はやめるべきだ。その分は固定資産税の上物部分の税率を上げたり、車に保有税をかけたりすることで賄うべきだ」 
 ──社会保障の財源としては本来、何が適切なのでしょうか。 
 「高所得者に対する課税強化のほか、(株式などの)譲渡益課税、相続税など直接税を拡充していくことも大切だ。所得税を減らして消費税を上げていく対応では、格差の拡大につながってしまう。ただ社会保障は機能別に財源を考えていく必要がある」
 「社会保障は大きく2種類に分けることができる。一つは生活保護など所得再配分の仕組み。ここは税金が財源となる。もう一つは健康保険や年金などの社会保険。こちらは所得再分配の仕組みではなく、保険であることを明確にして、主には社会保険料で賄うようにすべきだ」 
 ──社会保障の各制度はどのように改革すればよいでしょうか。 
 「年金制度については、政府が2004年に実施した改革の理念は正しい。このときの改革で保険料の上限を決め、その財源の範囲で年金を給付する形にした。それまでは給付を先に決め、それに必要な保険料を徴収していたから、若い世代にどんどん重い負担となっていた。今の制度は世代間の負担の不平等をなくしていける」
 「ただし一定の財源内に収まるように今よりも年金給付水準を下げていくマクロ経済スライドは、デフレ経済下でも厳密に実施しなければならない。年金が下がるのがいやな人は、できる限り長く働いて年金を通常よりも遅くもらい始めるようにしたい。そうすれば年金額は増える仕組みになっている」
 「今の制度では高齢者がもらえる年金原資は一定範囲で決まっているのだから、それを早くから少なめの金額でもらうか、遅くからもらって厚くするか、個人の選択に任せればよい」 
 ──年金制度は大きく形を変えるべきだとの意見もあります。 
 「(全国民に共通する公的年金である)国民(基礎)年金については、保険料の未納問題が深刻だ。このために老後、無年金や低年金になり、生活保護に頼る人を増やしている」
 「国民年金保険料は廃止して、給付に必要な財源をすべて税金で賄う方式にしてはどうだろうか。厚生年金に加入している人も厚生年金保険料の中に含まれる国民年金分の保険料を引き下げることができて負担減になる」
 「国民年金は全国民に一律に支払うのだから、保険で実施するより、税を財源とする考えもあり得る。きちんと支給されるようになれば、無年金問題なども解決し、生活保護を受ける高齢者を減らすことができる。新たな税財源が必要にはなるが、所得税の強化や低所得者対策を講じたうえでの消費税増税で集めた税金を充てればよい。年金保険料負担は減るので、増税を受け入れる余地も出てくるだろう」 
 ──その他の制度についてはどうでしょうか。 
 「医療や介護についても本質的には年金制度と同じように、若い世代の負担がどんどん増えることがないような仕組みにしていくべきだ。また日本は(どんな症状でもまず診てくれるかかりつけ医などの)プライマリーケアが弱い。ここを充実させることは医療の効率化に役立ち、患者にとってもありがたい」
 「生活保護については、いったん受給者になっても、またそこから出ていきやすいような仕組みづくりが必要だ。保育についても、規制緩和で保育士や保育所が増えていくようにしないといけない」 
 はった・たつお 1966年国際基督教大卒、ジョンズ・ホプキンス大教授など歴任。アジア成長研究所所長。71歳。

 この前提の根拠は、今こそ財政拡大が景気拡大に結びつく」(エコノミスト誌・2003年4月1日)明らかにしました。

 なお、2011年の「社会保障改革に関する集中検討会議(第九回)」での「社会保障・税一体改革の論点に関する研究報告書」に示された私の発表意見は、上記のエコノミスト論文に基づいています。

2014/10/31

論文「北九州空港が変える福岡市と北九州市の将来」 アジア成長研究所

2014年10月
アジア成長研究所のワーキング・ペーパーにおいて、「北九州空港が変える福岡市と北九州市の将来」が掲載されました。

論文は、次のリンクからご覧ください。〈全文

2014/09/30

論文「山手線・中央線沿線駅前における違法駐輪対策の効果 -集計ロジットおよびトービット分析-」AGI Working Paper Series

AGI Working Paper Series に、唐渡広志氏との共著論文「山手線・中央線沿線駅前における違法駐輪対策の効果 -集計ロジットおよびトービット分析-」が掲載されました。

論文はAGIのリポジトリでご覧いただけます。

2014/08/31

論文「違法駐輪対策の効果の推移」AGI Working Paper Series

AGI Working Paper Series に、唐渡広志氏との共著論文「違法駐輪対策の効果の推移」が掲載されました。

論文はAGIのリポジトリからご覧いただけます。

2014/06/30

論文:「違法駐輪対策としての駐車料金引き下げ、駐車場建設、撤去率引き上げの効果比較」ICSEAD Working Paper Series

2014/06
ICSEAD Working Paper Series に、佐々木芙美子氏・唐渡広志氏との共著論文「違法駐輪対策としての駐車料金引き下げ、駐車場建設、撤去率引き上げの効果比較」が掲載されました。

論文は、AGIのリポジトリからご覧ください。

2014/03/28

「再稼働説を支える3つの神話と1つの真実」ダイヤモンド・オンライン

2014/3/28
ダイヤモンド・オンライン シリーズ・日本のアジェンダ 第5回  「再稼働説を支える3つの神話と1つの真実」

ダイヤモンド・オンラインに寄稿いたしました。
全文はこちらのリンクからご覧ください。〈全文

2014/01/15

規制緩和による国際都市づくりと都心居住促進

2013年10月11日の講演が『不動産経済REE』第95号に掲載されました
全文はこちら

2012/07/26

2012/07 NIRA政策レビュー 「市場原理を貫けば再生エネ・コジェネにチャンス」

2012/7 NIRA政策レビューNo.57 再生可能エネルギーの将来性 「市場原理を貫けば再生エネ・コジェネにチャンス」

NIRA政策レビューにインタビュー記事が掲載されました。記事をご覧になりたい方はこちらから。
長いバージョン<web>  要約バージョン<PDF>

2012/03/31

2012/3/31 日本国際問題研究所 平成23年度研究報告 「国際社会に通用する人材育成策:国家公務員のオープンリクルートメントによる院卒採用-オーストラリアをケーススタディとして-」

2012/3/31
 平成23年度公益財団法人日本国際問題研究所調査・提言事業報告書 「国際社会における日本の競争力確保のために必要な政策」第7章に、論文「国際社会に通用する人材育成策:国家公務員のオープンリクルートメントによる院卒採用-オーストラリアをケーススタディとして-」が公開されました。

 全文をご覧になりたい方は、こちらからご覧ください。〈全文

2011/08/17

RIETI10周年記念セミナー 政治家と官僚の役割分担


世論や政策を決めるパワーエリートの選ばれ方はさまざまである。政治家は選挙で選ばれ、それが彼らの権威の根拠になっている。官僚は試験で成績の良い人がなる。
このように、政治家と官僚は、明らかに違う基準で選ばれている。では、両者は、政策決定にどのような役割を果たすべきなのだろうか。つまり、選挙で選ばれた人と、試験で選ばれた人がどのように政策決定過程における役割を分担すべきなのだろうかという問題を考えてみたい。


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原子力発電の費用と便益


原発は費用と便益の両面で、他の電源より国益にかなうといわれてきた。 まず原発の施設建設には多額の費用がかかるが運営コストが他の電源に比べて極めて安いため、総費用では安い電源だといわれてきた。さらに 「原発はCO2を排出しないから、地球温暖化対策の切り札だ」とも言われてきた。


しかし、原発が安いというのは一定の前提に基づいている。さらに、地球温暖化対策として、 原発などの特定の電源に特定の補助を与えることは最も有効な手段ではない。本稿では、これらの事実を明らかにし、 今後の原発のあり方について提案を行う。


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