2025/02/14

原発費用の送電料金への上乗せに関する意見書

送電料金に関して、グリーンコープでんきが 「託送料金変更認可決定取消請求」  に関して国を訴えた件の福岡高裁での裁判の判決が226日に出ます。この裁判のために、原告側の意見書を書きました。23年の意見書と24年に書いた国への反論の意見書をここにあげます。

趣旨は、以下の通りです。

法律に基づかずに送電料金を、特定の発電事業者を有利にするよう決める権限は、役所に与えられていない。発電事業者間の競争を損ねるからである。送電料金が中立的に決められていれば、安いコストで発電できる事業者は大きな利潤を上げることが出来るが、損害賠償を負った事業者は、それに応じで発生する損失を甘受しなければならない。もし原発事故補償の損失が大きすぎて、東電が破綻した場合には、事故の被害者救済は、他の災害支援と同じ様に国が一般財源から負担する必要がある。しかし、東電を破綻させていない以上、東電が全費用を負担すべきで、送電料金に上乗せすべきではない。

仮に東電が破綻した場合であっても、福島の事故費用を、沖縄を除く本土の電力会社の送電料金だけで賄うのは間違いで、沖縄を含む全国民の税負担で賄うべきである。これは、沖縄で自然災害が起きたときに、沖縄の企業だけでなく、全国民がその支援を負担すべきであることと同じである。

23年意見書

24年反論意見書

2025/01/30

AGIワーキングペーパー・シリーズ「解雇手当契約を可能にする社会インフラ整備」

アジア成長研究所(AGI)のワーキングペーパー・シリーズとして、「解雇手当契約を可能にする社会インフラ整備」を発行しました。(2024年3月)

全文は下記からご覧くださいhttps://www.agi.or.jp/publications/workingpaper/2024/WP2024-10.html
【AGIリポジトリ】https://agi.repo.nii.ac.jp/records/2000095 


「解雇手当契約を可能にする社会インフラ整備」

要約:米国では人材の解雇と新規採用によって、技術革新に必要な、機敏な人材の配置換えが可能である。対して、日本では、解雇が困難であり、その分、特に、IT産業などで、時代に合った採用が出来ず、長期的な生産性の伸びを抑制している。

本稿では、まず、従来からの慣行型の雇用契約を残しつつ、解雇条件を明文化した新規契約をも可能にする規制緩和を提案する。次に、そのために必要な解雇手当基金や雇用保険制度などの社会インフラの整備を提案する。特に、企業による解雇手当基金への積み立ての義務化、国によるデフォルトの解雇手当水準の設定、雇用保険料への履歴料率制の導入など、労働市場の健全な流動化を促進する仕組みについて論じる。解雇が起きにくいことを前提として構築されている現行の社会インフラのまま、解雇条件を明文化した契約を導入すると、企業による解雇の頻発や労働者による解雇手当獲得を目的とする退職などのモラルハザードを生むことになるからである。

本稿で提案する社会インフラ整備の下では、解雇条件を明文化した新規契約を結ぶ企業に対しては、解雇時にそれが社会に及ぼす負担に応じたペナルティを与える一方、解雇される労働者には解雇手当の給付を確実にする。解雇された労働者が受ける保護は格段に向上する。

一方、企業はそれらの代償を払った上で、自社に必要な能力を持たない労働者を解雇できるため、能力のある労働者のみを高い賃金を支払って雇用できるようになる。これは、新時代が必要とするイノベーションを、日本でも可能にする。

2024/10/31

略歴を更新しました

本ブログのサイドバーに掲載している「職歴・委員歴・学歴」を、2024年10月31日現在の情報に更新しました。

2024/06/25

韓国EDAILYフォーラムにて講演: Solutions to Rural Extinction in the Era of Population Decline

韓国の新聞社Edailyが主催したThe 15th EDAILY Strategy Forum(2024年6月19日、於 韓国ソウル)にて、“Solutions to Rural Extinction in the Era of Population Decline”(人口減少時代における地方消滅への解決策)というテーマの講演を行いました。

講演で使用したスライドの改訂版は、次のリンクからご覧いただけます。

2024/05/29

清華大学のCIDEGにて講演 “Japan's Social Security System”

北京の清華大学のCIDEG(産業発展環境ガバナンス研究センター)が主催するThe 34th CIDEG Academic Conference(2024年5月24日)にて、“Japan's Social Security System”(日本の社会保障制度)をテーマに、基調講演を行いました。

再分配政策、年金制度、日本の社会保障制度の経験の3つを小テーマとして、現状と改革の方向性を説明しています。

講演で使用したスライドの改訂版は、次のリンクからご覧ください。

2024/04/13

朝日新聞インタビュー:負の価格制度・情報漏洩防止策

朝日新聞にインタビューが2つ掲載されています。1回目は長期的なエネルギー転換をもたらすための負の価格制度について、2回目は大手電力による情報漏洩の再発防止策についてです。

2024/04/06

Johns Hopkins University Club, Homewood部講演会

Johns Hopkins University Club, Homewood部講演会(於 慶應義塾大学三田キャンパス南校舎)にて、「効率性の損失を最小化する再分配政策」をテーマに講演を行いました。

使用したスライドの改訂版を、次からご覧いただけます。